事業概要About

1. 事業の趣旨・目的

TSMC進出に伴う、全分野の人材不足

TSMCの進出により、熊本県では半導体人材や災害復興のための建築系人材の需要が急増している。その結果、他の業種、特に理系人材の不足が顕著になっている。

熊本の主要産業とIoT

熊本の主要産業である製造業や農業・林業においては、IoTなどの先進技術の活用により業務のDX化が進み、人手不足の解消が期待されている。業務効率化には、単なるシステム導入だけでなく、使いやすいUXデザインの視点が不可欠である。

熊本の専修学校における現状

熊本の情報系専修学校は数校存在するが、IoT中心の教育を行っている学校はなく、また、UXデザインを教える専修学校もない。現状のプログラミング教育主体では、将来的にAIに仕事を奪われる可能性がある。

本モデルの意義

専修学校でUXデザインのスキルを持つIoTエンジニアを養成することで、地方の人手不足解消に寄与する人材を輩出できる。UXデザインのスキルは製造業など幅広い業種で活用可能であり、専修学校の授業で広く利用できる。本事業で開発したカリキュラムを他地域にも展開することで、人材不足解消の一助となることが期待される。

2. 開発するモデルの概要

本プロジェクトでは、IoT×UX(User Experience)デザインの教育を行い、AIにはできない仕事を担う人材育成のための、調査、教育プログラム開発、教材の作成、実証講座の実施、成果物に対する評価の枠組み作りを行う。

先進技術IoT × UXデザイン = 新しい時代に適応したイノベーティブ人材

開発する教育プログラムの概要を下記に示す。

開発する教育プログラム概要

作成する教育プログラムは、IoTの技術範囲であるエッジ側(データ取得)、クラウド側(データ処理、アプリケーション)で必要な知識及び技術の基礎を身に付け、それらを生かした業務改善案を提案できる人材を育成するものである。

既存の教育プログラムでは、主にアプリケーションプログラム開発に重点を置いた構成であり、概要としての知識は身に付けるものの、デバイス(センサー)、通信、セキュリティ、データ解析、AI等の技術については実践的な取り組みができていない。また、技術修得がメインでありそれを活用したアイデアの創出ができるような内容になっていないため、UXデザインに関する教育内容を教育プログラムの中にいれること、さらに、課題解決型の演習をいれることによって、問題解決能力の向上を図る。

具体的には、「IoTイノベーションデザイン学科」として、3年間の教育プログラムを開発するものである。現在、九州技術教育専門学校に設定している「情報システム工学科」は、2年課程であるが、より、高度の教育内容を提供するために3年課程を想定して、教育プログラムを検討する。

基礎編・応用編・実践編

年次 内容
1年次 基礎編

IoTシステム開発に必要な基礎技術及び概念の修得

  • IoTシステムの概念(クラウド・ネットワーク・セキュリティ・AI等)
  • エッジデバイス開発(プログラミング技術)

情報の分析・表現方法(UI)の基礎技術及び概念の修得

  • 情報デザイン(情報収集・グループ化・分析の技法)
  • Webデザイン(クライアント側プログラミング)
2年次 応用編

IoTシステム開発演習

  • エッジ側及びクラウド側の設計・開発演習を行い、最終的には相互を接続したIoTシステムを完成させることで、IoTシステム開発の全行程の開発イメージをつかむ

UXデザイン演習

  • 問題や課題抽出に必要な技法を学び、そのシステムが何のために必要なのか根本的な部分のイメージをつかみ、システム要件定義ができるようになる
3年次 実践編

テーマを与え、問題解決のためのプロジェクトを立ち上げ取り組む(PBL)

インターンシップへの参加

3. 構成機関・構成員等

構成機関・構成員等

(1) 教育機関

  • 現状の教育内容の問題点の提起
  • カリキュラム検討、教材開発
  • 他教育機関の動向の調査
  • 実証講座の実施による評価
  • カリキュラム開発後の普及活動
名称 役割等 都道府県名
1 九州技術教育専門学校 調査、教育プログラム開発、教材開発、実証講座実施、評価 熊本県
2 九州技術教育専門学校 熊本校 教育プログラム開発、教材開発、実証講座実施、評価 熊本県
3 中国デザイン専門学校 教材開発、評価 岡山県
4 佐賀コンピュータ専門学校 評価 佐賀県
5 宮崎マルチメディア専門学校 評価 宮崎県
6 専修学校九州テクノカレッジ 評価 福岡県

(2) 企業・団体

  • 教育機関と連携して、カリキュラムの検討、教材開発
  • 企業のニーズ調査、調査結果の分析
  • 人材ニーズの調査、分析
  • カリキュラムの評価
  • インターンシップ受け入れ先の検討
名称 役割等 都道府県名
1 NPO法人九州組込みソフトウェアコンソーシアム(QUEST) 調査、教育プログラム開発、教材開発、実証講座実施、評価 福岡県
2 熊本県情報サービス産業協会 調査 熊本県
3 一般社団法人ITC-Pro九州 教育プログラム開発 熊本県
4 株式会社チェンジビジョン 教育プログラム開発、教材開発、実証講座実施 東京都
5 株式会社システムフォレスト 評価 熊本県
6 株式会社FLAT 教育プログラム開発 東京都
7 株式会社B.P.WORKS 調査、教育プログラム開発 熊本県
8 TEDxKumamoto 教育プログラム開発 熊本県

(3) 行政機関・その他

  • 地域課題の提起
  • 調査企業の紹介
  • 地域のDX化の現状、課題の提供
名称 役割等 都道府県名
1 熊本県デジタル推進課 調査 熊本県
2 熊本県人吉市 調査 熊本県
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